ご挨拶

はじめに、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)にて、お亡くなりになられた皆様のご冥福をお祈りし、ご遺族の方々に心よりお悔やみ申し上げますとともに、現在治療中の皆様のご快復をお祈り申し上げます。また、治療および対応、介護に日々奮闘されている医療・介護関係者の皆様に敬意を表します。

さて、2020年10月10日(土)~11日(日)に予定しておりました「日本転倒予防学会 第7回学術集会」は、東京:中野サンプラザでの現地開催を断念し、オンライン学術集会(WEB開催)とすることが先日の理事会で承認されました。会員の皆様におかれましては、病院・施設等でリスク管理に携わっている方々も多く、新型コロナウィルス感染症が沈静化しても会場に一堂に集い密な状態で意見を交換することは困難であると判断し、インターネットを用いたWEB上での開催形態としました。例年実施しております市民公開講座や懇親会の開催も断念することとなりました。なお、五木寛之氏の特別講演に関しましては、今回のテーマであります「人生100年時代の転倒予防」の趣旨にのっとり、開催できる形式・方法について調整中です。

現在、Zoomウェビナーによるライブ配信と時間や場所を気にせずにアクセスできるオンデマンド配信を併用する形での開催を検討しています。転倒予防指導士の方々にとっては、認定更新が気になるところだと存じますが、WEB開催により学術集会への参加単位と単位取得のための生涯教育研修会を開催できるように配慮する予定です。

参加方法や発表形式につきましては、後日、決定次第掲載する予定です。まだまだ、予断を許さない新型コロナウィルス感染症への対応にご多忙のことと存じますが、感染者の受け入れ時の転倒予防対策や自粛時の身体機能の維持などについても、考えていければと思っております。非常事態の中での開催に関しまして、会員皆様のご理解とご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。

2020年7月

日本転倒予防学会 第7回学術集会
会 長 奥泉  宏康
上岡  洋晴

日本転倒予防学会
理事長 武藤  芳照


 

1998年に1万人を突破した100歳以上の高齢者人口は、2019年には7万1274人となり、いよいよ「人生100年時代」の到来です。日本老年学会と日本老年医学会の2016年の報告によれば高齢者の歩行速度は10~20年前に比べて5~10歳は若返っています。一方、介護が必要となった原因としては、認知症20%、脳血管障害18%、高齢による衰弱15%に次いで、転倒・転落が13%を占めています(2016年、厚生労働省)。また、不慮の事故死の統計では、窒息25%に次いで転倒・転落が21%を占めており、健康寿命延伸のためには転倒を予防することが重要な課題となっています。

2020年の日本転倒予防学会 第7回学術集会は、東京2020オリンピック・パラリンピックの興奮が冷めやらぬ10月10~11日の両日、東京の中野サンプラザで、「人生100年時代の転倒予防~身近な転倒を再考する~」ことをテーマとして開催いたします。

今回は、特別講演(市民公開)の講師として、著名な作家の五木寛之さんをお迎えすることができるようになりました。「人生100年時代」における、私たち一人ひとりの生き方について、大切なことを教えていただけるものと期待しています。

病院においても、地域における介護予防においても、転倒予防は、多職種による共同の作業が必要です。それぞれの職場で実践している転倒予防に関する知識と経験を学術集会において共有し、さらに積極的に交流する場として活用していきましょう!

2020年2月

奥泉 宏康(長野県東御市立みまき温泉診療所 所長) 上岡 洋晴(東京農業大学大学院環境共生学専攻 教授)
奥泉 宏康 上岡 洋晴
(長野県東御市立みまき温泉診療所 所長) (東京農業大学大学院環境共生学専攻 教授)